ちょっとした思い付きで、石膏を削っていました。
最初は、違う事をしようとしていました。
なのにいつしか、ノミと金槌とあの石膏の割れる感覚に魅了されていました。
先生「きれいに割れるようになってきましたね。」
はる「そのうち仏像とか、…イケますかね?」
先生「うん、…それは怖いから止めてください。」
教室の隅に、物言わぬ仏像が、空を見つめて立っている。
こちらを見ているようにも見える。
うん、…怖い。
確かに。
仏像は禁止です。
たまたまできた作品に色を塗り、そろそろ完成間近の火曜日。
その夜、絵画教室はお休みしました。
代りに次の日、「白と黒」の撤収も兼ねて行く事にしました。
アクシデントを乗り越えて、階段を上がると、先生が写真の装置を見せてくれました。
先生「昨日来ると思って、慌てて作りましたよ。」
先生は石膏を気持ち良く削る私を見て、よりたくさん削れるようにと石膏を流して固める装置を作ってくれたのでした。
固めた石膏も取り出しやすくなっています。
何度でも使える仕様です。
土台の部分は、枠や板に穴を開けて針金をグルグル通していたのを、焼き網をネジで留めて代用しています。
ある意味先生の力作です。
他の生徒さんを見ながら作業していたらしいです。
正直、そこまでしてくれるとは、…驚きです。
やっぱり先生は仏様のような人だ。
ナンマンダブツナンマンダブツ…。
しかしちらりと頭を過ぎりました。
そこまでしてもらった私は…。
何か責任のようなものも感じますが。
それは、…忘れます。(合掌)
