写真を撮っている人がいます。
写真はその人の作品です。
なぜか写真ではない。
たまに会うその人は、個人的に活動しているらしいのですが、腕は確かみたいです。
話は溯る事12時間ぐらい。
仕事場でIDカードみたいな物を作ってもらったのでした。
写真付き。
でも、
"なんだかこの写真おばさんっぽい。"
おばさんには変わりないけど。
念のため、仕事場の他の女の子に見せると、
「今とちょっと違う。
なんか、むくんでますね。」
"む、む、む、むくんでますか!?"
確かに。
誰が見ても、おばさんチック。
IDに使用した写真は半年前に、証明写真マっシーンで撮影したもの。
でも、今より半年若いのに…。
「顎引き過ぎかもですよ。」
確かに顎、引き過ぎかも。
次回から顎に気をつけよう…。
そして…、
腕に覚えのある彼との再会。
できたら、1ヶ月ぐらい前に会いたかったけども。
まあ、いいや。
カメラ重視で携帯を新しくしたという彼に話を合わせながら、しかし、欲望を押さえる事はできなかったのでした。
「その携帯で、なんとか私も200%美しく撮ってもらえませんか!!!」
睫毛も200%長くなる時代。
パーフェクトなんとか!
その高性能のカメラで、おばちゃんも200%美しく!
…なんとか!
……なんとか!
というか、できたら美人に!
懇願する私を前に、携帯を構える彼。
タイミングを計る。
きっと自然な表情を狙っているんだ。
輝いてるやつ。
"さりげなく、…さりげなく。輝いて…。"
静かにその時を待ちました。
奇跡よ…起これ。
携帯を覗き込み、彼は言うのでした。
「200%は無理かも…。」
彼の腕を持ってしてもその壁は越えられなかった。
みたいです。
またいつか、お願いします。
さりげなく、輝いている時にでも。
