今年はあんよできるようになったロクとお花見。
去年の桜の時期はねんねだったね。
一昨年はまだお腹に気付いていなかったね。
桜の時期は新年度の始まり。
学生を4人抱える我が家はお正月よりも、4月が一年のスタートになる。
桜とともに、前の年がどんな年だったかが記憶される。
日本人は桜好き。桜の歌だけで何曲あるのだろう。
きっと、こんなに桜が愛されるのは、この時季のせい。
桜がもし寒い冬や、暑い夏に咲く花だったら、同じように咲いてもこんなにドラマチックではないだろう。
卒業式があり、入学式があり、退職があり、入社式があり、転勤があるこの時季に咲くからこそ、歌ができるのだ。
思い起こしても、特別な桜がある。
中学の卒業式。
高校の卒業式。
大学の入学式。
入社式。
大きな節目の他に、ぽつりぽつりと思い出す桜。
桜の花の横に居た顔。
18歳。親友とお互いの失恋で泣いたお花見があった。
何で泣きながら、2人で桜の花を見に行ったのだろう。
その子とも10年以上会っていない。それぞれ、あの時に泣いた理由の相手はもうどこに居るかも知らない。
25歳。同僚と靖国神社でヤケ酒を飲んだお花見。これも、なぜ靖国神社だったのか?なぜ「ばかやろー」なんて言いながら飲んだのかも覚えていない。仕事を真剣にしていたのかな。異動にでも不満があったのかな。
記憶していない小さな頃は、どこで桜を見たのかな。若い母と父がやっぱりよちよち歩きの私を眺めていたのだろう。
また桜の時季が来て、ロクと歩いている。
こんなに幸せでいいのだろうか。って思える。
神様このまま時間を止めてください。って。
来年も再来年もロクとお花見するのかな。
ロクは今日の桜を覚えていないけれど。
誰かと記憶に残る桜を見るんだね。
桜は日記の栞みたいだね。
ロクの小さなくっくの裏に花びらが付いているよ。
今年の栞を手のひらに乗せて眺めてみる。
