人はなぜラブレターを書くのか」。このちょっとした問いかけが、作品全体を通して心に響く、そんな感じの映画でした。
この映画は、日比谷線脱線事故で、犠牲になった当時高校生だった富久信介さんにまつわる奇跡のような実話をもとに制作されており、それを思うとある種、ドキュメンタリーのような現実感も感じられた。

24年後に届いたラブレター。これが何を意味するか?一見不思議なことのように思えるが、物語の中で、それは自然な気持ちとして受け入れらる。
「思いを伝えたい。」ただその純粋な気持ちが、人と人とを繋ぐ大切なことなのだ。
恋愛であれ、友情であれ、家族であれ、相手を思う気持ちは変わらない。

サイドストーリーとして、事故の犠牲になった富久信介さんのボクシングのエピソードがあるが、ここで登場する大橋ジム(井上尚弥が所属している)での友情物語も実に感動的で、このエピソードだけでも作品がつくれそうだ。信介さんの先輩、川島役を演じる菅田将暉の演技も素晴らしかった。(川嶋勝重プロが実際に世界戦で戦う実際の映像はYouTubeでも配信されている。)

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そして、綾瀬はるか演じるナズナの家族の物語。
毎日顔を合わせている家族だからこそ、思いを伝えるのが難しいこともある。
夫役を妻夫木聡が演じているが、どうしても二人が初共演した行定監督の「JUSTIS」(Jamfilms)のイメージが強くて、その後の物語のようにも思えてしまう。

 

 


高校時代のナズナを演じた當真あみの恋心をいだく初々しい演技もよかった。
「人はなぜラブレターを書くのか」映画を見終わってから、じわじわくる作品です。(★★★★)