エンツォ・フェラーリの半生は、まさに情熱と狂気に満ちた人生だ。フェラーリの歴史はある程度知っていたが、これほど激しいものであったのかと、本作を観て改めて思った。
「車を売るためにレースに出るのではなく、レースに出るために車を売る」というエンツォの印象的な言葉があるが、まさにこれが、彼の人生を物語るものなのだろう。
私生活では、長男ディーノを病気で失い、愛人とその息子ピエロとの二重生活。会社経営は破産寸前。そんな苦境の中で、挑むのが伝説の公道レース「ミッレミリア」だ。彼にとって、このレースに勝つことだけが、彼の人生を肯定するものとなる。
主演のアダム・ドライバーの演技もさることながら、妻役のベネロペ・クロスの熱演も素晴らしかった。彼女の演技によって、ドラマとしての緊張感が生まれ、物語を劇的なものにしている。

映画「フェラーリ」はカーレースファン、必見の作品です。(★★★★☆)
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