「Single 8」は、1978年夏に全国公開されたスウォーズに感化された高校3年生が、高校生活最後の文化祭の展示作品として8mmフィルムで自主映画を作る物語である。
クラスのみんなで決めたことを、力を合わせて実現するということ自体、とても意義のあり、高校時代ならではだ。
この作品にはものづくりのワクワク感や苦難が凝縮されている。
よくある話と言ってしまえばそうかもしれないが、そこには、熱い思いがあり、同調する仲間がいる。創意工夫で苦境を乗り切り、みんなの力で価値ある物を生み出すのだ。
映画を見ている視聴者は、知らず知らずのうちに、彼らといっしょに映画を作っている気持ちになり、青春時代の懐かしい感覚に満たされる。
ほのかな恋心やクラスメイトとの友情が共同作業を通じて醸成され、かけがえのないない青春の記憶が作られる。
「Single 8」映像制作に携わっていなくとも、だれもが共感できる青春映画だ。(★★★★)