原作の力を感じる、文学のような映画でした。脚本が文語調なのは、監督がこの原作に惚れ込んで来る証拠だと思います。物語の筋としては妻を亡くした演出家のその後の人生を描いたものでしたが、演劇作品を作り出す、クリエイティブな世界があり、そこで描かれる虚構と現実の対比が面白い。言葉の通じない状態で、人はどのように通じあることができるか?どうしたら通じ合えるのか?という演劇の演出自体が、物語の題材となっている設定も秀逸だ。抽象度の高い作品なので、見る人によって、感じ方が異なると思うが、生きるとはどういうことか?という問いかけがリフレインする作品です。(★★★★)

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