久しぶりに真のある邦画を見た気がする。映画すばらしき世界は、佐木隆三の小説「身分帳」を原案に、西川美和監督が脚本を手がけた秀作だ。この作品は、人生の大半を刑務所の中で暮らした男が刑期を終え、社会に復帰するための生活を描いた物語であるが、ここから現代社会の様々な問題点が浮かび上がってくる。特に、生活弱者がこの世の中で生きていく事の困難さと、社会保証への課題が見える。犯罪は決して許されるものではないが、犯罪を生み出す社会環境が根源的にあることを理解しなければならない。劇中では、理不尽な社会や出来事、弱者の苦悩が描かれるシーンが描かれるが、そんな中でも一生懸命生きれば、手を差し伸べてくれる人がいる。世間は長い目で見れは、暖かく正しい。そう思える社会を信じて、前向きに生きて生きたいという思いが湧いてくる。(★★★★)