リュック・ベッソン監督が、ニキータ、レオン、ルーシーの次に描いたのは、二重スパイの物語だ。とにかく構成が面白い。現実と回想を繰り返し、二つの対極にあるものが、形勢逆転を繰り返す。

対極になるものとはKGBとCIA、そして男と女だ。
主演はロシア生まれのサッシャ・ルス。モデル出身だけあって、スタイル抜群で、アクションのレベルも高かった。
時代は1990年、まだアナログの時代で、日本ではバブルだった時期だ。
この映画は一見女性スパイのアクション映画に見えるが、根っこの部分は男と女の関係や人生を描いた作品だと思う。
劇中何度か出てくるキーワードに「自由」があり、ANNAはまさに自由をつかみ取るための戦いをしているのである。
このあたりは、ジャンヌ・ダルクのイメージとオーバーラップするし、フランス人であるベッソン監督らしい解釈だ。
社会と自分がどのような向き合うべきか、そんな意味合いも感じられる面白い作品だった。(★★★★)