クリント・イーストウッド監督が本作で注目した記事はアトランタオリンピック時の爆破テロ事件。第一発見者のリチャード・ジュエルは爆破予告前に不審物を発見し、適切な対応によって被害を少なくし、多くの人を助けた。これにより、彼はヒーローになったが一転、容疑者として疑いをかけられることになる。FBIの行き過ぎた権力による捜査や、メディアの過熱報道の、誰もが被害者や加害者になってしまう危険な社会がそこに存在する。
見所はなんといってもFBIと過激弁護士と戦うリチャードだが、リチャードの母役のキャシー・ベイツの演技が素晴らしかった。この事件は24年前の出来事だが、現在も変わっていない。SNSでだれでも簡単に情報を配信できる時代、配信する側、見る側の責任がますます問われるようになってきていることを考えると、恐ろしさを感じる。(★★★☆)