日本に無声映画時代は存在しなかった。それは活動弁士という存在があったから。映像をみるより、活動弁士を目当てに劇場に足を運ぶという感覚はとても面白い。映像を見ながら話すカツべンは、アフレコのようなもの、解説や味付け弁士にゆだねられ、弁士次第で映画が面白くもつまらなくもなる。物語は、老舗映画館の青木館と新興のタチバナ館との商売敵の対立をどたばた喜劇風に描いてる。一番の見所は、染谷俊太郎役の成田凌が弁士の力量で危機を乗り切るところであるが、飲んだくれの弁士、山岡秋聲を演じた永瀬正敏の一時代を作った先任者の存在感や、俊太郎のロマンスなどもみどころの一つだ。(★★★★)