ゴッホは何を見、何の為に絵を描いたのか?そんなゴッホの内面を、本作は丁寧に描いている。監督は「潜水夫は蝶の夢を見る」のジュリアン・シュナベール。我々は、ゴッホの視点で捕らえた手持カメラの近視眼的な映像を通して、彼が見ていたであろう世界を追体験する。そこには、彼の苦悩と飽くなき芸術への思いが映し出され、彼を取り巻く環境の厳しさを痛感する。

劇中、誰もが一度は見た事のある有名な作品の制作シーンが何度も映し出されるが、この手法のおかげで、彼の作品の理解が高まり、制作者としてのゴッホの興味が高まる。ゴッホ役のウェルム・デフォーの演技も素晴らしく、本物のようだ。

実際、彼はどのような人だったのかは、生前を知る人が存在しない現在、文献や言い伝えに頼るほかはない。彼が亡くなった後のシーンはとても悲しく、寂しいものだったが、画家として生きた彼の人生を物語っていた。

現在、上野の森美術館でゴッホ展が開催されているが、この映画を見て鑑賞すれば、いっそう彼の作品に対する理解が深まるに違いない。(★★★★)

 

◎永遠の門 ゴッホの見た未来 公式サイト