この映画、少女の成長物語のように書かれているが、それだけではない。心に傷を負い、前に進めないでいる人々に向けてのメッセージが含まれている。原作は伊集院静の同名小説、登場人物の細かい心象描写がすばらしい。愛犬ルーとサヤカの秘密の場所。フセの思い出の海。すぐ近くに存在しそうな不思議な空間が良い。そして、サヤカとフセが出会い語らう喫茶店、どこかで見た風景だとおもったら、横浜野毛のJAZZ喫茶ちぐさだ。知っている場所がロケ地になっていたせいか、さらに身近な感じがした。
ラストの不思議な世界、小説ではイマジネーションを働かせるシーンだが、とても美しく仕上がっている。見終わったあと、優しい気持ちになれる秀作です。(★★★★)

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