オダギリジョーが監督・脚本を手がけた初の作品。脚本はさておき、豪華なキャストに驚かされる。主演の船頭役に柄本明を配し、永瀬正敏、蒼井優、伊原剛志、浅野忠信、橋爪功、草笛光子、細野晴臣、村上淳、笹野高史が出演している。物語は、渡し舟の年老いた船頭が、様々な客と出会う中で起こる出来事を描いた作品だ。ほとんどのシーンが渡し舟のある川で撮影されているため、単調ではあるが、キャスト陣の演技によって深みのあるドラマに仕上がっている。特に主演の柄本明の演技はすばらしく、彼以外にこの役を演じられる俳優はいないのではないだろうか。そしてもう一つ素晴らしかったのがクリストファー・ドイルの映像である。この作品はシネスコサイズ(12:5)が使われており、川に浮かぶ渡し舟や川の広がりがリアルに感じられ、ゆったりとパーンする映像は、あたかも船に乗っているようにも思えた。
普段なにも起こらない日常から、どんなテーマやドラマを作り出すか?
脚本的には予定調和的なところもあったが、初監督・初脚本としては上出来ではないだろうか?
オリジナル脚本が少なくなった邦画の為にもオダギリジョー監督には今後も是非頑張ってほしいと思う。ただ、このシチュエーションではちょっと尺が長すぎか?(★★★☆)