日常の風景の中で起こりそうなだけに、恐ろしさを感じる映画だと思います。優秀な介護師にふりかかる思いもよらぬ出来事の連続、人の複雑な愛情や、人間の弱さが物語を通じて伝わってくる。何と言っても主演の筒井真理子の自然体の演技が良い。舞台挨拶の質問でもあったが、「すぐ近くにいるおばさん」という感じで、それがまたリアリティに繋がっている。監督・脚本は深田晃司。オリジナル脚本だ。
我々が日常で感じる不安や恐怖、そしてなにより、人間関係の中で生じるちょっとした、信頼感の崩壊や、社会やコミュニティでの不信感が如実に描かれている。音楽はほとんどなく、生活音が重視されている点もリアリティを伝える上で効果的だったと思う。
女性中心の物語なので、男性はなかなか感情移入できないかもしれないが、人の内面と社会の不完全性を見事に切り取った構成という点でとても興味深い作品であることに間違いはないだろう。(★★★☆)

 

 

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