ビル・エヴァンスの人生を語るとき、「時間をかけた自殺」と語られることが多いが、その背景には、音楽(ジャズ)への愛と、降りかかる数々の悲しみや苦悩が存在する。彼の周りで起こる悲しい死別とドラッグ。多くのジャズミュージシャンのドキュメンタリーがそうであるように、彼もまた例外ではなかった。
物語はマイルスとのKind of Blueの制作から始まりBill Evans Trioの活動、Waltz for Debbyの制作秘話と続くが、このあたりの関係者の証言は実に興味深かった。
「ジャズピアノの詩人」と言われる彼の輝かしい音楽活動の裏にある悲しい出来事が関係者から語られるたびに、心が苦しくなるが、それでも音楽に向きあいつづける彼の姿を見ていると、ジャズファンならずとも、彼の偉大さと生き様に心を震わされずにはいられないだろう。
本作は、まさに音楽に人生を捧げた、天才の苦悩の人生を知ることができる貴重なドキュメンタリー。
ジャズに興味がある方は必見です。(★★★★)
