人種差別が色濃く残る、60年代アメリカの実話に基づく物語です。この作品で考えさせられるのは、人種差別の問題はもちろんですが、それ以上に人として生きることの意義や、人の幸せとはどういうことなのか?といったテーマです。人の幸せに関しては、主観的な部分が多分にあるので、共感できるかどうかは見る側次第ですが、生きることの意義については共感できる部分が多いと思います。黒人ピアニストのドクターとイタリア系アメリカ人のトニー。この二人の関係性が絶妙で、運命の出会いとしか思えない。お互いが持っていない部分を補いながら、人生の旅をする。背景には人種差別や生活格差に関わる悩みがあり、与えられた宿命の中でどうやって自己の存在を肯定し、前に進んで行くか?といった人生哲学的なものも感じた。「世間は長い目で見れは正しく、暖かい」今の自分を作っているのは自分であり、責任を持つのは自分である。そんなことを改めて感じさせてくれる作品でした。(★★★★☆)
