塚本晋也監督、初の時代劇は「斬(ざん)」。なぜ人は人を斬るのか?その一点を表現るために作られた時代劇であると言っても良いだろう。剣術の腕は立つが人を斬ることに疑問をいだく浪人、丞之進役に池松壮亮。躊躇なく人を斬る凄腕の浪人澤村役を塚本晋也監督自身が演じている。そして、この対立関係の間に割ってはいるのが蒼井優演じる、農家の娘ゆうである。

例によって、手持ちカメラによる寄りの映像と、ディティールカットによって、ぐいぐい塚本監督の世界に引き込まれていく。

なぜ斬らなければいけないのか?人を斬るとはどのような状態になることなのか?そして人を斬った人、斬られた人はどういう心理状態になるのか?そういった点を極限状態のシーンの中でしっかりと表現しているところが凄かった。
忠義のため、仇を討つため、仲間や自分を守るため、人が人を斬るにはさまざまな理由がある。
映画を見終わった時、この作品のテーマは現代に通ずる普遍的なものであることに気づかされる。(★★★★)



池松壮亮の剣さばき、本物です。塚本晋也監督いままでで一番カッコいい。久しぶりの蒼井優の絶叫、やっぱりいいです。