最初から最後まで、PCの中で展開されるという奇抜な映像手法。1秒も画面から出る事はなかった。カット割りはパソコンのカメラやスマートフォンのカメラの切り替え、PC上の操作で行われる。ウィンドウが制約されている分独特の緊張感があり、これが物語の展開とあいまって、今まで、味わった事の無い、不思議なサスペンスを感じた。
映像はワイドスクリーンサイズで、自分がパソコンを捜査している感覚に近いため、日頃PCやスマホを頻繁に使っている人はすぐにその世界に入っていけるだろう。
物語は娘の失踪に気付いた父親が、警察に協力を仰いで、ネット上の手がかりをSNSなどのライフログを頼りに捜査を行っていくのであるが、このあたりも見所の一つだ。
なりすましや、フェイクニュース、無責任な投稿などで、捜査は難航。予想もつかない展開が繰り広げられる。
今年話題になった「カメラを止めるな!」はカメラの外で起こっている出来事の描写がポイントだったが、本作は、facetimeやトーク画面などのマルチウィンドウ表示によって、別の現場で起こっている出来事を一つの画面で表現している。この点が大きく違う所で、多元的なライブ中継による緊張感をそのまま、スクリーン映し出すといった意味で、いままで味わった事の無い面白味を感じた。(★★★★☆)
