物語はどうにもならない状況から始まる。ダンケルクは戦場に取り残された40万人の救出劇だ。戦争を救出という視点から見る事によって、戦争の悲惨さと人の命の尊さをとても深く考えさせられた。

映画はダンケルク港に救援を待つ兵士、空軍による爆撃機の迎撃、民間人による休出、極限状態の兵士の姿をカットバックする。脱出する側、休出する側、攻撃に対する迎撃を行う側を順番に見せて行く事で、じわじわと緊張感が高まって行く。この辺りの編集は見事だ。

また、映像的にも戦闘機での空中線や、兵士の視点でのカメラワークなど、ヴィジュアル的にも素晴らしかった。
日本人にはダンケルクの話は馴染みがないと思うが、これは戦争の悲惨さを考える上で、観ておくべき作品の一つだろう。(★★★★)