koibitotati
キネマ旬報で昨年、日本映画ベストテン第一位に選ばれた「恋人たち」を見てきた。内容的には現実を直視した厳しいものでしたが、オリジナル脚本ならではの説得力がものすごくありました。形式としては3つの恋人たちの群像劇のようになっていますが、これがなかなか秀逸で、現代社会が抱える問題を見事に映し出しています。妻を通り魔に殺された夫、結婚生活に絶望感を感じている妻、同性愛に悩む弁護士。
それぞれやりきれない思いを抱えながら苦しみ悩み、それを乗り越えられないでいる。諦めてしまえばそれで終わってしまう。諦めきれない。そんな葛藤の中もがきながらも気持ちをなんとか切り替え、前進し始める。
昨年度はアドラー心理学がはやりましたが、まさにそんな世界を表していいるようでもありました。
主演の篠原篤の無骨な演技はドキュメンタリーのようでもあり、ぐっときました。
「恋人たち」、間違いなく橋口亮輔監督の代表作になるでしょう。(★★★★☆)