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クリムトの肖像画「黄金のアデーレ」。誰もが知っているこの名画をアデーレの姪マリアがオーストラリア政府から取り戻す話である。映画は、「黄金のアデーレ」とマリア一家にまつわる回想シーンと、若き弁護士とマリアのオーストリア政府との対決のシーンで構成されている。
回想シーンは赤みかかったフィルム調に加工されていて、すぐにわかる。黄金のアデーレを取り戻す事はマリアにとって失われた時代、家族との思い出を取り戻す戦いであるが、弁護士のランドルも家庭を持ち、父親になったばかり、自分勝手なマリアに振り回されながらも共感し、正義感のある弁護士として成長していくところが、この映画の見所だろう。オーストリアで彼らをサポートする役で出演しているグッバイ・レーニンのダニエル・ブリュールもいい演技をしている。
第二次世界大戦中ナチスに没収された絵画は1500点以上、映画「黄金のアデーレ」は絵画奪還という視点で戦争の悲惨さと今も続くそのの傷あとを著した秀作である。(★★★☆)