WILD
わたしに会うまでの1600キロ。原題は「Wild」だ。邦題を聴くと、軽い感じのなにか自分探しの旅と勘違いしそうだが、実際は、辛い過去を乗り越え、自分の人生を切り開いていくための、ある意味自分との戦いといった物語である。
主人公シェリルが挑むのはPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)。メキシコ国境からアメリカ~カナダ国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走するアメリカにおける三大長距離自然歩道のひとつだ。この距離を女性一人で歩く事自体かなり無謀と思える挑戦だ。
物語はPCTを歩くロードムービー的なシーンと彼女の生い立ちや、家庭環境、最愛の母との死別、夫との別れ、麻薬中毒などの回想シーンで構成されている。秀逸なのは、これらがすべて道中彼女が出会う出来事の中でカットインされ、その中で彼女の心情が見事な映像表現で演出されている点だ。
特に死別した母との話はぐっとくるものがあった。
そして、エンディングでは1600キロを制覇した(自分と戦いきった)達成感と、前に進むための希望を感じさせる不思議な心地よさを感じた。
アメリカの壮大で過酷な大自然にいどむ主演のリース・ウィザースプーンの演技もすばらしく見応えがあった。こういう映画けっこう好きです。(★★★★☆)