kotoko
名古屋シネマスコーレでKOTOKOを見た。3年前の作品だが、劇場で見損ねていた。今回塚本信也監督作品、野火の公開を記念して塚本信也レトロスペクティブと題して、過去の作品が上映されていた。この作品は2012年にベネチア国際映画祭でグランプリを獲得している。
話の筋としてはシングルマザーKOTOKOが生の苦しみに絶える物語であるが、その中で描かれる激しい心理描写が強烈なだ。現実なのか幻想なのか、境目がわからない。
KOTOKOは自分がこの世に存在している事を確認するために、自虐的行動をとる。強迫観念から周りの人とコミュニケーションを取る事ができない。唯一自分の子供だけが、自分の存在価値を肯定してくれる存在であるがそれすら混乱により危うい状態に陥る。
途中、KOTOKOの対比として塚本信也監督演じる田中が登場するが、彼の存在がKOTOKOの奇行との対比として描かれており、これによってKOTOKOの精神面の状態を際立たせる効果を生んでいる。企画は塚本監督と主演のCoccoが行っており、本作は二人の作品といっても良いと思う。
特にCoccoの演技は芸術性が高く、本当にトランス状態に入っているようでとてもリアルだ。塚本作品はほとんど見ているがその中でも上位に入る作品だ。(★★★★)