kakekomi
幕府公認の縁切寺、鎌倉の東慶寺を舞台に、離縁を求めて駆け込んでくる女達の物語。そこには当時の人々の生活や苦しみや、喜び。夢や生き様など様々な人間ドラマが用意されていた。
原作の素晴らしさもさることながら、豪華キャスト陣の熱演が光った。
主演の大泉洋の快活な台詞回し、戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名のキャラクターを生かした演技も素晴らしかった。
縁切寺のシステムについては、今回の映画で初めて知ったが、幕府と朝廷が認めていたという事もあって、よく考えられた取り決めがされていた事に驚いた。入山のための聞き取りがあり、東慶寺では尼寺としての精神修養のメニューがしっかり取り決められているなど、歴史的な事実も丁寧に描かれていた。
2年間の修養後、妻に駆け込まれた夫は、離縁状を書かねばならないが、ここでのやりとりも興味深かった。
映画を見終わって思うのは、この作品が単なる縁切寺の物語ではなく、夫婦愛や男女の関係について時代を超えて考えさせられる側面を持っているという点だ。このあたり、原作の井上やすしが伝えたかった事なのだと思う。

当時の台詞回しや流行り言葉などが多く出てくるので、理解しづらいシーンもあったが、曲亭馬琴など当時の文化的な背景などもうまく物語に使われていて面白かった。
また、演出についてはなんとなく黒澤明を意識しているような気がした。(★★★★)

駆込み女と駆出し男公式サイト

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