kuti
長崎五島列島の美しいロケーションで制作されたこの作品、2008年にNHKで放映されたドキュメンタリーがきっかけだったんですね。一つの歌をきっかけにTV番組が作られ、小説になり、そして映画化される。こういう事例もそうは無い。
物語は五島列島のある中学校の合唱部が、全国合唱コンクールをめざす青春ドラマ。その合唱の課題曲になっているのが、アンジェラ・アキが実際に合唱コンクールのために書き下ろした名曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」である。
原作では、この曲を題材に合唱を通じて、思いをひとつにする事の大切さと、生きる事の意味を伝えている。人はそれぞれ、宿命をもって生まれてくる。そしてそれを受け止め、逃げずに今ここで生きる事こそ、前向きに生きていく上で大切な事なのだ。
この作品、原作のすばらしさもあるのだが、なんといっても生徒達のピュアな演技が良い。
特に、ナズナ役の恒松祐里とサトル役の下田翔太は今後の活躍が期待される。
また、五島列島ならでは演出も効果的につかわれている。船が出航する時の汽笛、長音2回は出発の合図。そして奏されるハ短調のあの名曲。グッと来た。
くちびるに歌を」。子供だけでなく、人生経験を積んだ大人こそ感動できる秀作です。(★★★★)