as
冒頭からラストまでこれだけ緊張感を感じる映画はそうはないだろう。それは映画を見ているうちに、見ている側も主人公同様に、戦場に赴く兵士の体験をしているような気にさせられるからだろう。そしてそれは、主人公の狙撃手に感情移入すればするほど、緊張の度合いが高まっていく。

物語は海兵隊に入隊直後に結婚し、9.11後にスナイパーとしてイラクに派兵されるところから始まる。海兵隊員を守るために、狙撃によって敵を殺していく主人公。正義を信じて任務を遂行する彼は英雄として名をあげていく一方で、敵とはいえ人の命を奪うという事への疑問や、死と背中合わせの戦場での恐怖によって精神に異常をきたしていく。

派兵は3回におよび、その都度家族のもとに戻るが、帰国しても戦場での緊張から解放されず、敵から見方を守る事(任務を果たす事)でしか、それを解決できなくなっていくのである。
この映画のテーマの一つとして、「ディア・ハンター」同様、帰還兵の精神の崩壊の問題があるが、こういった構図はなにも戦争に限ったものではないように思う。企業戦士として働く会社員にも、似たような事が起こっているのではないだろうか?命をとられる事は無いにせよ、そういった状況に追い込まれている人も多いのではないかと思う。(★★★★☆)

◎アメリカン・スナイパー公式ページ