kantei
ニューシネマ・パラダイスのジュゼッペ・トルナトーレ監督が描くミステリー。見方によっては人気鑑定人と、謎の依頼主とのラブサスペンスと言ってもいいかもしれない。しかしこの映画にはひとつのテーマがる。それは「偽りの中の真実」というものだ。虚構がありふれた現代社会において、何が真実なのか、その中でどう生きていくかといった哲学的な意味合いもこの物語から読み取れるような気がした。鑑定人ヴィエーラの生き方を軸に、幸せとはなんなのか?人と人とのつながりとは何なのか?そして愛とは、人生とはなんなのかがミステリーの中に練り込められている。
資産家の屋敷で展開される鑑定人と依頼人との微妙な関係、壊れた機械の歯車が一つ一つ組み合わされていく過程にあわせて鑑定人の人生の歯車が動き出す演出は見事だ。
若干先が読めてしまう所もあるが、これも緻密に計算されていているような気がする。
そして、衝撃の結末と哀愁のエンディング。さすがトルナトーレ監督といった感じだ。(★★★★☆)

◎鑑定人と顔のない依頼人ホームページ