$芸術に恋して★Blog★-natsu
戦後の昭和、女性が一人で生きていく事の難しさや辛さが実際の生活描写の中から浮かび上がってくる。
原作者の瀬戸内寂聴はこの小説について「ふたりの男の間で揺れ動くひとり女の愛の迷い」と言っているが、まさにそのとおりの内容であった。
物語は回想シーンを織り交ぜながら進むが、はじめ進行中の話なのか回想シーンなのかよくわからない部分もあったが、全て見終わった後にはそれぞれのシーンの関係性や意味が分かる。
とても淡々と進んでいくので、途中退屈であったり、主人公、知子のあまりのわがままぶりに困惑する場面もあるが、一人の女性として自分に素直に今その時を精一杯生きている姿には、共感する女性も多いのではないかと思う。

それから、なんといっても知子役を演じた主演の満島ひかりの演技がすばらしい。揺れ動く女性の心理や感情をここまで自然に表現するのは、一流の女優をもってしても難しいはずだ。
満島ひかり、今年の日本アカデミーの主演女優候補は間違いないだろう。(★★★☆)

◎夏の終わり公式ページ

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