
オープニングからレトロなグラフィックアニメーションが興味を引いた。タイピストはフランスを舞台にしたスポ根恋愛映画だ。この映画を評して、ロッキーの女性版とコメントしていた評論家がいたが、本作にはハリウッドとは違う、フランス恋愛映画のテイストがしっかり入っていて、それとは違う独特な世界観が出来上がっていたように思う。
なんといっても主人公ローズ役を演じたデボラ・フランソワのキュートな演技が良い。あか抜けない田舎娘なうぶな女性が、負けん気の強さで、試練を乗り越え、コンテストを勝ち上がっていく姿は見ていてとても気持ちがよい。
ファッションはローマの休日のオードリー・ヘップバーンやシェルブールの雨傘のカトリーヌ・ドヌーヴをかなり意識しており、アップにした時の髪型はオードリーと全く同じにしていたようだ。
相手役ルイを演じるロマン・デュリスもいい味をだしている。彼は彼女の雇い主であり、トレーナーーである。そしてこの複雑な状況が独特な恋愛物語にするのである。
監督は、新人のレジス・ロワンサル。本作が長編のデビュー作となる。今後の作品が楽しみだ。(★★★★)