
今年の夏は戦争関連の映画が多い。戦争と一人の女も戦争映画であるが、これはいままでにない視点でとても興味深かった。国と国、人と人で殺し合いをする戦争は狂気の沙汰ではないが、そんな環境化で人生に絶望したり、精神が壊れてしまう状態になってしまうのは少なからずあったであろうことは普通に想像できる。
「戦争が終わるまでやりまくろうか」
マズローの欲求の5段階でみれば、安全の欲求の前に生理的欲求が優先される。となれば、このような欲求が起こるのも自然とうなずける。明日の命も分からない状態ともなればますます強くなるはずである。
主演の永瀬正敏は独り身の小説家、江口のりこは親に捨てられた飲み屋のおかみの設定で始まる。
明日をも知れぬ状態二人は戦火の中同棲を始めるのだ。
村上淳は戦争で片腕を失い、心が壊れてしまった男を演じている。
物語の中でRAA(特殊慰安施設協会)というキーワードが出てくる。これは、終戦後米兵が日本人女性に暴行を働かないように、一般婦女を守るための「防波堤」としての連合軍兵士専用の慰安所の事である。好きな言葉ではないが勝てば官軍、負ければ地獄という言葉がある。そんな強迫観念が戦争を長引かせた原因のひとつなのかもしれない。(★★★☆)
キャタピラー [DVD]/寺島しのぶ,大西信満,吉澤健

¥4,935
Amazon.co.jp