$芸術に恋して★Blog★-yonosuke
普通(平凡)に生きる事は難しい。人との関わりの中ではエゴとエゴとがぶつかり合い、自分らしく生きていく事とは何たるかまで分からなくなってしまう。目の前で起きている事を受け入れ、それを受け入れる。そんな主人公横道世之介の人生から、私たちは日々の生活の中で大切なものを感じ取る事ができる。それは一期一会という言葉で表される事もあるだろうし、誠意とか信頼という事なのかもしれない。
映画は1987年に主人公が長崎から上京し、大学生活を送るところから始まる。個人としての新しい生活の始まりである。毎日のように出会いがあり、人との関わりの中から自分を見いだし、生活が形作られる。
世之介役の高良健吾と恋人祥子役の吉高由里子の初々しく、不器用な恋愛の展開を見ていると、なんだかとても幸せな気分になれる。
入学式のサークルの勧誘や学食での談話、先輩の汚い下宿で過ごした時間など、当時の大学生の生活がとても懐かしかった。
物語は時折16年後に移行し、世之介と関わった人たちの生活が映し出され、世之介を懐かしむ。
人生の中で出会った人たちの記憶は良い思い出も悪い思い出も、人生の宝なのだと思う。

プランナーの小山薫童氏が、「人の記憶の中に自分というものの存在を残したい。」と話していたが、自分自身が人々の人生の宝になると考えると、少しだけ生きている事が楽しくなるかもしれない。(★★★★☆)

◎横道世之介


横道世之介/毎日新聞社

¥1,680
Amazon.co.jp