
このミステリーがすごい!大賞の同名小説の映画化作品。期待が大きかったせいか、若干期待はずれであった。せっかくの原作であるのに、ストーリーの繋がりが弱く、役者が空回りしている感じを受けた。主演の橋本愛とピアニストの清塚信也のふたりが苦難を乗り越えてコンクールに望む流れはとてもよかったが伏線となるミステリー面が、今ひとつからみきれていない。
私は役者でもある利重剛監督の映像表現や、映画作りは好きなのだが、今回は予算面で厳しかったのか、なにより主役の二人以外のキャストがはまっていなかったような気がする。
しかし、クライマックスのドビッシーの月の光のステージはよかった。演奏は清塚信也のものだが、橋本愛の呼吸とうまくシンクロしていて、このシーンだけでも見る価値はあるだろう。ピアニストは何の為に演奏するのか、演奏するには理由がある。誰の為に、どんな曲を演奏するか?これは音楽家にとってとても大切な意味を持つ。私のささやかな演奏経験の中からもこれを実感させられた経験が何度かある。音楽は表現方法の一つであると同時に、芸術であり、芸術は人を救い、生きる希望を与える力を持っているのだ。
全編名古屋ロケで製作委員会方式で作られている。もう少し予算があり、制約がなければもっと良い作品になったと思う。不完全燃焼、もったいない。(★★★☆)
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