映画「渾身」隠岐島に伝わる20年に一度の遷宮相撲を通して日本人のこころや様式美を描いた作品である。ここで取り組まれる隠岐古典相撲は従来の相撲とはその目的や形式が大きく異なり、それ自体が競技ではなくカミゴトであり、地域同士の勝負なのである。海に囲まれた島での地域同士の戦いはその土地の面目がかかっており、そこで推挙される正三役大関は最高の名誉とされる。
主人公の英明(青柳翔)は親が決めた婚約者との縁組を破談し、自分の決めた女性、と駆け落ち同然に島を飛び出してしまうが、島にもどり他の島の男たちと相撲を始め、大関に選ばれる
地域社会の認められ、島の男として生きる決意。家族の長としての責任。そして自分の人生をかけた20年に一度の大一番を迎えるのだ。
そんな英明を支える島の女性琴世を演じているのが、久々の主演となる伊藤歩。女性らしい自然な演技は好印象で、いままでの出演作品の中で一番。
隠岐古典相撲を忠実に再現した映像はドキュメンタリーのようでもあった。
日本人のこころ。確かに伝わってきます。(★★★★)
渾身/集英社

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