任侠(にんきょう)という言葉を調べてみると「本来仁義を重んじ、困っていたり苦しんでいたりする人を見ると放っておけず、彼らを助けるために体を張る自己犠牲的精神をさす語。」となっている。劇中では分かりやすく、「弱きを助け強気をくじく」という言い回しを使っているが、言い換えるならば、弱いものに加勢し、その根源となる悪に立ち向かい問題を解決するといった事になるだろう。この映画の中の悪とは表面的には生活保護を受ける老人たちを狙った貧困ビジネスを行うヤクザの事を示しているが、本当の悪の本質は、高齢者が行き場をなくしてしまう現在の日本の社会の事を指し示している。
ちょっと前にマイケル・ムーアの「シッコ」という作品の中で、お金や身寄りのない老人が施設の前に捨てられるという衝撃的なシーンがあった。それを見たとき、日本も近い将来こんなことになるのではないかと思っていたが、そんな記憶をこの映画を見ていて思い出した。
社会保障の問題、介護施設の問題、孤独死の問題。高齢化社会が抱えるいくつかの問題がある。そういった問題を草彅剛演じるヤクザが貧困ビジネスをさせられる中から任侠の精神がふつふつとわき上がり、目の前の悪に対して真っ正面から立ち向かって行くのだ。
悪に立ち向かって行く草彅はまさにヒーロー。ある意味痛快であり、ハードボイルド的な要素もある。この作品が面白いのは一般的に探偵や刑事、新聞記者などがやるケースが多いこの役を、極道がやってしまうところだ、任侠という言葉をかりて弱きを助け、命をかけてたた戦う姿はまさに今国民が国や政治家に求めている姿なのではないだろうか。(★★★★)
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