$芸術に恋して★Blog★-ものすごく人は、愛する人をなくしたとき、悲しみをどう乗り越えればよいのか。「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」はこの重いテーマを9.11によって最愛の父親をなくしてしまった少年を主人公として、その成長と再生の過程を描いた作品である。
少年はあまりの恐ろしさに現実から逃げてしまう。こんな衝撃が突然襲ったら無理もないことだ。そして、ある日、父のクローゼットから一つの鍵が見つかる。少年はこの鍵になにか父からのメッセージがあるのではと思い、この鍵であける事ができる鍵穴を探す活動を始める。
ここでりっぱなのは、彼を支える家族の存在だ。年端も行かない少年が危険が多いニューヨークを一人で歩き回る事自体、とても危ない話だが、家族はそれを静かに見守るのである。全てはかれが悲しみを自分の力で乗り切る為、自立するためであり、ここに大きな家族愛を感じる事ができる。
物語は意外な展開となるが、きわめて現実的であり、希望と勇気を与えるものとなる。人と人とは助け合いながらも、それぞれが自分の人生に責任を持って生きて行かなければならない。そんなメッセージが感じられる作品であった。(★★★☆)