
板尾創路監督第二弾作品、月光ノ仮面を見てきた。この作品は古典落語、粗忽長屋(そこつながや)の話のネタをもとに、発想をふくらませ映像化した作品で、そこに板尾監督独特のシュールな味付けが加えられているところが見所だ。時代設定は戦後の混乱期、話の主題である、「ここに死んでいる死体は確かに俺だが、それを見ている俺はいったいだれなんだ」という一種幻覚的な状況を馴染ませている。
この映画を見る前には、そういったことをある程度理解していないと、なんのことなのか意味がわからないだろう。多くの人は、作品を見終わってから、あれはどんな意味だったんだろうと考えることになる。
私もそうであった。自分似た人間というのは世間に沢山いて、人はその人に自分を重ねあわせ、その人を喜ばしたり、その人がしたいと思っていることをやってみたりすることで自分自身の存在や生きがいを見出すといった、そんな哲学的な意味合いも強い。
これを見てどう感じるかは見る人次第。人によって評価がわかれる作品と言えるだろう。これからこの作品を見られる方は、物語の「対比」に注意してみていくと理解しやすいかもしれない。(★★★☆)
談志の落語 二 (静山社文庫)/立川 談志

¥940
Amazon.co.jp