
園子音監督の今年の一作目はヒミズだ。公開前からヴェネチア映画祭で主演の染谷将太、二階堂ふみが最優秀新人俳優賞を獲得したことで話題になっていた。確かにこの映画はこの二人の演技によるところが大きかったが、それを引き出した脚本と演出がすばらしいということは言うまでもない。
よくもこれだけの演技をやったなと感心する。殴る、蹴るは当たり前、親の理不尽な暴力に耐えながらも、その中で自分の存在を見つけ出そうとする。原作を読んでいないのでわからないが、園子音監督ならではの映像表現が物語をより一層インパクトの有るものにしている。特に雨のシーンは効果的だったし、震災のあとの家をなくして人生の苦境に立たされている姿と二人の主人公の置かれた状況をオーバーラップさせているところも実によく考えられている。そして、この映画の根底にある、何があっても生きろ、頑張れというメッセージ。これには今の日本人ならだれもがこころ揺さぶられるだろう。(★★★★☆)
新装版 ヒミズ 上 (KCデラックス)/古谷 実

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