ブラック・スワンを見てきた。この映画の題材は、チャイコフスキーのバレエ作品「白鳥の湖」であり、その物語の要素を踏まえ、演じるバレリーナにスポットを当てた、人間ドラマである。主演のナタリー・ポートマンはアカデミー主演女優賞を獲得しただけあって、すばらしかった。バレリーナとしての役作りもすごかったが、いままでにない感情をむき出しにした真に迫った演技、体当たりの演技は文句なしである。彼女が演じるニナは、前プリマから新しくその座を獲得するのであるが、現役プリマ役を演技派のウィノナ・ライダーが演じており、そのあたりのキャスティングも興味深い。
この映画の面白いところは、人間の持つ純粋な部分とダークな部分を白鳥と黒鳥というバレエの役柄との対比から表現しているところである。純粋で臆病な白鳥と傲慢で虚偽な黒鳥、ニナ自信が心の奥底に持つダークな部分がドロドロとした人間関係の中からあぶりだされていく過程は本当に見ごたえがあった。
脚本もよかったが、精神性の高い幻覚的な映像表現がすばらしい。不安定なニナの精神状態やその状況を見事なイマジネーションで映像化している。
映像は全体的に暗く、手持ちのカメラで現実感と不安をあおっている。鏡などの小道具を使った演出や幻覚的なCGも見事であった。
クライマックスで白鳥から黒鳥になっていくシーンは圧巻だ。(★★★★★)
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