DV(ドメスティックバイオレンス)の極みというのだろうか、人の弱みにつけこんで目的のためには容赦ない。救われない家族。抑圧された防衛本能が壊れたとき、人はどうなってしまうのだろうか?理性を失ない制御不能。人格を失ってしまう。この作品は見かたによっていろんな側面があるが、その根底には弱い人間の愚かしさが見え隠れする。
虐待を受けた子供はまた自分もまた虐待をしてしまうという説があるそうだが、ひとは一度受けた心の痛みをなかなか克服できない。内に溜め込むか、外に発散するか、生まれた負のエネルギーをどうにかしなければならない。
役者ではでんでんのワル役が目立ってしまうが、主演の吹越満のキレた演技もまたすばらしい。
これだけ感情むき出しの映画は邦画ではひさびさのように思う。衝撃的なシーンが多いので、これからご覧になる方は覚悟してみたほうが良い。手加減ありません。
また、BGMでマーラーの交響曲第1番「巨人」の第三楽章のテーマが流れるが、これがかなり効果的に使われており、不安や憂鬱さを増長させる。(★★★★)
◎冷たい熱帯魚
マーラー:交響曲第1番「巨人」/ショルティ(サー・ゲオルグ)

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