$芸術に恋して★Blog★-レオニー映画レオニーはイサム・ノグチの母の半生を描いた日米合作の作品だ。この映画はまぎれもなく、母の映画である。いまでは珍しくないシングルマザーとして子供を守り育てる。戦争によって敵国になってしまうレオニーとヨネ。文学という共通の世界でつながる二人だが、その関係も周りの環境から複雑化していく。
この映画を見る限り、中村獅童演ずるヨネは決して冷酷ではなく、自分に夢に正直なだけのように思う。逆にレオニーは頑固で自分勝手な女性にみえてしまうが、それは、すべて子供のためであり母としての愛がそうさせているのだろう。
この時代、日本では女性が独立して生活していくことは困難であった。そんな女性としての苦悩の対比として津田梅子(津田塾大学創設者)の存在があり、この点もレオニーの生涯を語る上で重要な要素となっている。
また、途中、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻が登場するが、国籍が違う小説家をささえた女性として彼女が出会う意味も大きい。

主演のエミリー・モーティマーは30代から60代までをひとりで演じているが、ふけメイクの見事さもあり、とても自然だ。脚本もよくできており、松井久子監督の才能を感じる。

この映画は邦画なのか洋画なのか迷うが、角川映画であり、監督が日本人なので邦画として位置づけたい。アメリカのシーンは「赤毛のアン」のように開放的であり、日本でのシーンは「坂の上の雲」のような時代感を感じる。
彼女の作品を見るのは今回がはじめてだが、評価の高い「ユキエ」「折り梅」も見てみたくなった。(★★★★)

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