芸術に恋して★Blog★-沈まぬ太陽
5年ほど前だったか、大手メーカーで働く知人に、感銘を受けた小説について聞いたときに最初にあがったのが今回初めて映画化された山崎豊子の「沈まぬ太陽 」であった。そのときこの原作には興味を持ったが、今回その原作を読む前に映画でこの作品を見る事になった。
エピソードとして飛行機墜落事故がインパクトが強いため、この章が取りだたされる事が多いようだが、この作品の本当のテーマは企業人として生きる人々の人生、生き方について問うた作品である事はいうまでもない。
渡辺謙演ずる恩地と三浦友和演ずる行天。二人の会社での立ち回り方がとても対照的に描かれており、ほとんどの企業人は多かれ少なかれこの二つのタイプの本質的な資質を持っているのではないかと思う。
恩地は、自分の信念を絶対に曲げず、自分が正しいと思うことを貫くタイプであり、行天は自分の出世を第一に考え汚い手を使ってでも野望をもってそれを実行するタイプである。
どちらが正しいかなどという事は価値観や人生哲学的な問題なので言えないが会社つとめを10年以上しているとこの二つの価値観に苛まれるのではないかと思う。
映画の中で、なんの為に?という問いかけがいくつかでてくる。
「出世と派閥のため」、「会社のため」、「家族のため」、「愛する人のため」、「社会のため」、「国のため」、そして「自分のため」。
人は「為に生きて」こそ幸せであるという解釈を聞いた事があるが、果たして自分は何のために会社で働いているのだと思えるだろうか?

渡辺謙、三浦友和の演技もよかったが、脇を固める豪華キャストの演技も良かった。特に印象にのこったのは、国民航空の再建の為に会長に就任する石坂浩二と墜落事故の被害者役の宇津井健と木村多江。(★★★★☆)

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