この映画、写真が趣味、カメラが趣味、といった方でないとなかなか理解できない部分も多いかも知れない。
登場人物はなぞの女に宮沢りえ、彼女をビデオカメラで撮り続ける男に永瀬正敏、そして、彼の仕事の依頼者に役所広司が扮しているのですが、台詞が非常に少なく。ほとんどが、撮る側の永瀬くんと撮られる側の宮沢りえの描写になっている。永瀬くんは写真家として、愛機ライカを片時もはなさず持ち歩き、自分が「美しい」と思うものを撮り続けている。
この映画、ストーリーとしては、ちょっとしたサスペンスなのだろうが、それ以上に写真を撮ることへのこだわりの部分が強く感じられる。永瀬くんの視線の先はいつも美しいもの探している。そしていつしか仕事として撮っているなぞの女の映像をライカで撮り始めるのだ。単なる記録だけの撮影から自分の求める芸術(アート)的な撮影に変わった瞬間である。このあたり、写真をやるものにとってはとても共感できるシーンである。
きっとこういった感覚は監督自身が写真家であることが大きく反映されている部分なのだろう。
また、主演の永瀬正敏自身は写真家としても活動を初めているだけあって、カメラの扱い方や被写体へのアプローチのしかたがとても様になっていた。
映画として見てしまうとちょっと退屈な感じがするが、映像のとらえ方や映画の裏にあるコンセプチャルな部分はとても興味深かった。(★★★☆)
ゼラチンシルバーとは 写真現像に使う銀化合物のことで、これを使った
写真は銀塩写真とも言われる。
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