こんなに美しく、神秘的で感動を覚えるホラーはいままで見た事ががない。そこまで言っても言い過ぎではないくらいすばらしい作品であった。リングやシックス・センスなど心霊ホラーの秀作は多くあるが、この「永遠のこどもたち 」は社会的な問題点や親子の愛というテーマが背景にしっかり設定されており、すべてが現実的な視点にたってシナリオが作られている点が一般的なホラーとは異な点であろう。
主人公のラウラは障害をもつ子供たちのために30年間閉鎖されていた孤児院を買い取りホームとして再建しようとするが、彼女自身の息子シモンもHIVに感染していて薬の投与がなければ生きていけないという厳しい現実を背負っている。それでも彼女がホームの再建にこだわるのには、彼女自身も孤児であり、孤児院で育ったという経験があるからだ。そして過去におきた一つの事件が30年の時を超えて彼女自身を巻き込んでいく。
物語の展開、脚本がすばらしく、精神的な世界も灯台の光やホイッスルの音などを物語の基点に効果的に使ってあり、感覚に訴える演出も良い。また映像表現もとても美しく、息子を探しまわる母親の錯乱状況をあえて望遠レンズのブレで表現したり、薄暗い中での光の使い方や距離感の使い方も気に入った。
また、オープニングのプロローグなど小さなシーン一つ一つに意味があり、無駄がない。
そしてなによりも愛を信じる事の大切さをこの映画は教えてくれる。おすすめです。(★★★★☆)
ギレルモ・デル・ロト監督の作品
- パンズ・ラビリンス (通常版)
- ¥3,591