映画「トウキョウソナタ 」は今の日本がもつ社会的な問題を家族の絆という視点で描いたある意味とてもリアリティのある作品であった。雇用の流動化、社会福祉、少子化、離婚率の増加、教育現場の崩壊など、無視できない現実を一つの家族を中心としたエピソードとして描いている。
リストラされたことを家族に言えない父、家族を事を思ってもうまく行かない母、アメリカ軍に入隊してしまう兄、こっそりピアノをならう弟。ごく普通の4人家族(中流以上だと思うが)に不況和音が響く。
この家族に突きつけられた現実はとても厳しいものであるが、それほど特別な例では内容に思えてしまうのが怖い。劇中、にたような状況下に陥り、一線を超えてしまったエピソソードが対比的に描かれているが、これがとても効果的で、ここからこの作品もメッセージを読み取る事ができる。
苦しい環境下であっても決してやけになってはいけない。現実と正直に向き合い、希望をもって前向きに生きていくすべの必要性をこの映画は伝えようとしている。(★★★★)
夫婦役の香川照之と小泉今日子ははまり役で、兄弟それぞれの演技もとても自然。
脚本、編集がすばらしいので、とても理解しやすい。