「誰も知らない」の是枝裕和監督の「歩いても 歩いても 」を見た。いろいろなわだかまりを持ちながらも家族、親戚としてつきあっていくことについて、ユーモアたっぷりに描いたこの作品には、多くの方が共感されるのではないだろうか。盆と正月にしか実家に帰らないという話をよく聞くが、そんな短い実家でのひとときをとても自然に表現している。
原田芳雄演ずるおじいちゃんと樹木希林演ずおばあちゃんと中心とした親戚一同が会したお茶の間でのシーンは見事で、かなり長いカットにもかかわらず自然でドキュメンタリーをみているようにも思えた。また、是枝監督お得意の子供達の描写もすばらしく、大人のわだかまりともろともしない無邪気な姿やカット割り緊迫感を和らげている。
血の繋がった親子、血の繋がっていない親子、死別した兄弟、夫などそれぞれの関係が一つの親戚という和
の中で交わされる本音。「いつも間に合わないんだよな」という阿部寛の言葉がとても印象に残った。舞台となった昭和の香りがする医院と住居が繋がった母屋や坂のある風景、海が見えるお墓などのロケーションもとても良い。
(★★★★☆)