映画「つぐない 」を鑑賞した。この映画、下手をすると安っぽい昼メロになりかねないあらすじだと思った。小説なら行間を想像して自分なりのイメージを描けるが、ゴシップ色の強い原作だけに、脚本と演出と役者で駄作にもなりかねない。
実際映画を見てみると、評判どおり原題である「贖罪」というテーマの軸がしっかりしている見応えのある作品に仕上がっていた。
全体をとおして編集はすばらしく、同じ出来事を主人公の視点を変えてトラックバックするやりかたは、登場人物の感情を多面的に理解するという点でとても気に入った。また、タイプライターの音を利用したリズミカルな音楽も、おもしろい表現であると思った。
主演の二人(キーナ・ナイトレイとジェームズ・マカヴォイ)と13才のブライオニー役のシアーシャ・ローナンの演技もハイレベル。とくにシアーシャ・ローナンは思春期の女の子の複雑な感情の浮き沈みを見事に演じていた。
そしてエンディング。この着地の仕方もなぜ贖罪なのかという意味を考えさせられるという点でとても後味がよかった。(★★★★)