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富と権力にとりつかれた主人公ダニエル・プレインヴューは血の繋がりを犠牲にしてまでも「黒い血」石油を求め続ける。
人間の奥底にある醜い強欲が一攫千金の石油採掘という事業を背景に露骨に表現され、その支配欲に嫌悪感を覚えた。
オープニングの静かな立ち上がりから事業が拡大していくに従い、主人公の強欲が増幅され、事業を成功させる本当の意味を見失っていく。
2008年のアカデミー賞で主演男優賞を取ったダニエル・デイ=ルイスの圧倒的な演技はその主人公の暴走しはじめた強欲を見事に演じ切っている。
この映画を見た感想の中にキューブリックを見たと書いている人がいたが、映画を見終わった時、私も同じような感想をもった。どうすることもできない、人間の醜さ、弱さを映像の中で心に突き刺さるまでに表現している点はキューブリックの精神的な世界に通じるところがある。(★★★★☆)

→ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

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