「JERRYFISH 」は昨年カンヌでカメラドール(新人監督に与えられる賞)を取った作品だ。物語は恋人に振られた女性が浮き輪をつけた迷子の少女とであうストーリーを中心にいくつかの物語で語られる群像劇的な作りになっている。
物語は淡々と進み、やりきれない、せつない、そんな世界が語られる。やがて人が生かされている意味のような結末がまるであぶり出しのようににじみ出てくる。
映画には、作品を見終わった時に至福や感動を感じるものと、しばらくしてからシーンを振り返ると、じわじわその映画のすばらしさがよみがえってくる映画があるが、このJERRYFISHはまさに後者の映画であると思った。なぜあの時彼女は素直になれなかったのか?なぜ彼女はあの時、拒絶したのか?そんな映画を見ていたときの断片的な記憶が少しずつ繋がり、その意味に気付いた時この映画のすばらしさ、脚本の完成度の高さを実感する。(★★★★)