『潜水服は蝶の夢を見る 』を鑑賞した。この映画は人生の絶頂時に脳梗塞により左目以外の自由を奪われ、20万回の瞬きで自伝を書き上げたという実話を元にした作品だ。
実話を元にしているということもあって、思ったほど劇的な展開はなかったが、独特の映像表現と主人公の生活を振り返るシーンの組み立てがよくできており、人の人生の重みを感じさせる深みのある作品に仕上がっていた。
主人公の視点から捉えた狭い世界と声にならない彼の思いがとても心苦しい。自分の意志で動かせない体での闘病生活から思い起こされる過去。物語が進むにつれて一人の人間に起こった現実がいったいどんな事であったのかが少しずつ明らかになっていく。
私はこの映画には二つの見方があると思った。一つは、自由を奪われた人間の苦悩と奇跡の物語。もう一つは主人公をとりまくの人々の人間愛の物語である。
私は後者の視点での物語で感銘を受けた。特に体の不自由な父とのシーンを涙無くしては見る事ができなかった。(★★★★)
エンドロールがとても意味深です。